それでもあきらめるな どん底人生

これからの人生を最高にしていくために

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笑顔のプロフェッショナル

その人は、いつも満面の笑顔で
周りを明るくしてくれてました。

その人が部屋に入ってくると
一瞬で空気がほわっとしてくる。

不思議なほど、
あったかい気持ちにしてくれる
そんな人でした。

その人がこの世を去ってから
早いもので十数年が経とうとしています。

今でも当時の仲間が集まれば
その人、M先輩の話に花が咲きます。

その人は、私の生涯で出会った誰よりも
笑顔が素敵で、いつも笑ってた。

正真正銘の笑顔のプロ、達人でした。

笑顔のプロが遭遇した苦難

その人は、誰もが知る歴史のある企業の
社長でした。

『先輩の会社が厳しいらしい』
それを聞いた別のF先輩が
『彼を囲んでみんなで飯でも食おうぜ』
と誘ってくれました。

その時のM先輩は
いつもと変わらずにひたすら明るく
周りに気ばかり使ってる

そんな盛り上がってる宴会の
みんなの輪から少し離れたところでの

F先輩とM先輩の会話が今でも心に残ってます

F先輩:『色々大変なんだろう?
    なのになんでそんなに明るく笑顔でいられるんだ?』

M先輩:『俺が暗く落ち込んで会社が立ち直るんなら
     いくらでも暗くしているよ。

     でもそんなことはない。だったら明るい方がいいじゃないか』

そう言っていたM先輩

しかし、その後、会社は倒産してしまいます。
先輩が親から引き継いだ時には、
すでに、会社は火の車状態だったと後になって聞きました

どうにもならなかったんだと思います。

ある日、テレビをつけると
その先輩が深々と頭を下げている姿が映し出されてました。

ニュースでは会社が粉飾決算を
行っていたことを報じてました。

記者から様々な厳しい、罵声とも
いえるような質問にひたすら頭を下げながら
汗をぬぐいながら丁寧に答えていました。

いずれそんな日が来ることは
あの日、わかってたはずです。

どれだけ不安だっただろう。
どれだけ怖かっただろう。
どれだけ逃げ出したかったろう。

しかしM先輩はあの宴会の日、笑っていた。
笑顔を絶やしていなかった。

そんなことを思い出すたびに
浮かんでくる想いがある。

私はどんな顔をして今を過ごしているだろうか?

疲れたと言い訳しながら暗い顔をしてないか?
仕事がうまく行かないとしかめっ面してないか?
イラつくといって眉間に皺よせてないか?

不機嫌という公害をまき散らしてないか?

そう思うと唖然とする
なんて弱いんだ、自分は・・・と。

笑顔が似合う素敵な大人

年を重ねてくると
笑顔が似合う人としかめっ面が似合う人が
なんとなくわかるようになってきた。

どんなに高級なスーツを着ていても
しかめっ面が似合ってる人は
近寄りがたい。

全然おしゃれじゃないのに
すごく笑顔が似合ってる人は
不思議な魅力がある。

似合うというのは板についている
ということなのだろう。

普段笑っていないのに、
急に上手な笑顔なんて出来るはずがない。

自分で笑顔を作り出せる人

心配事、不安、恐怖、イライラなんて
誰だってある。

そんな時、それらに自分を支配され
しかめっ面になってしまうのか

自分を支配して、
笑顔の自分になれるのか

それは自分次第なんだと
思う。

それが何十年と積み重なれば
自然に顔にでる。
隠そうにも隠せない
その人が持つ味となって
醸し出される

人は必ず年を取るもの。
老人になるもの。

だとすれば、
素敵な味のある
今は亡きM先輩のような
じじいに

いつかは
なりたいものだと思うのです。