それでもあきらめるな どん底人生

これからの人生を最高にしていくために

MENU

銀行借入の時に必要な3つのチェックポイント

経営が厳しくなって会社の中にあるお金が乏しくなってくると、

経営者は焦り始めます。

そもそも会社が倒産するというのは、赤字の時でなく、

払うべきお金が払えない時。

つまりキャッシュが足らなくなった時です。

 

だから、そうならない為に、経営者はがむしゃらになって

金融機関からお金を借りようとします。

 

銀行もお金を貸してその利息で利益を上げますから、

双方の思惑が合致すれば双方ハッピーですが、

厳しい会社の場合は、あれこれ説明を加えて、

なんとか融資をしてもらおうと奮闘します。

私がそうでした。

 

お金を借りる事が目的と錯覚してしまう

金融機関からお金を借りたなら、

当然のごとく、スケジュール通りに、金利をつけて

返済をしていかなければなりません。

 

しかし、苦しい資金繰りが長く続くと、

感覚がマヒしてきて、お金を借りる事が目的であるかのごとく

錯覚をしてきました。

融資をしてもらう為の、計画書を作り、

納得してもらう為の理路整然とした説明を作り上げ、

なんとか融資をしてもらったら喜んでました。

f:id:k-genri:20200403180622p:plain


あたかも、何か仕事を成し遂げたような感覚になってました。

銀行からお金を借りても利益は生まれません。

逆に金利をつけて返さなければならないので、

利益は減っていきます。

そんな事を、大切な商品開発や営業活動をそっちのけで

打ち込んでいました。

 

キャッシュがなくなれば会社は倒産してしまいます。

だからキャッシュは何より、大切です。

しかし正しい借入と正しくない借入はあります。

 

正しくない借入はいずれどこかで自分の首を絞める事になります。

事実、私はこの借入で苦しみことになりました。

 

この借入で売上は伸びるのか

銀行に借り入れをする際には必ず目的を聞かれます。

設備投資をして企業力を強化するのか、

研究開発して、あらたな商品を作り出すのか、

目先の運転資金にあてて、発展させていくのか。

 

いずれも明るい将来の為に、今を大切にする為のお金です。

しかし、苦しい今を何とか乗り越える為のお金の場合、

将来挽回出来るのかという検討が十分になされない場合があります。

とにかく、今の不安を乗り越えたいという苦しみからの脱却が

目的になっている場合があります。

 

つまり、その借入では一時しのぎでしかなく、いずれまた、

同じように借入をしなければならなくなります。

それは、まぎれもなく自分の首を絞める事になります。

 

その借入は返せるのか

借りたお金はスケジュール通りに返済して行かなくてはなりません。

当然ながら返済は利益からねん出して行く事になりますから、

利益が出てこないと返済することは出来ません。

 

その為には資金繰り表を作成して、これから先、毎月

どれだけの売上があって、どれだけの入金があり、

どれだけの支払いがあるのか。そして差し引きどれだけのお金が

この返済に回せるのかを見通しておく事になります。

 

もし、万が一、この見通しが狂ってしまったら。

その時には、また新たな借り入れをお願いしなければなりません。

そして返せない借入がジワリジワリと増えて行く事になります。

私はこの万が一を経験してしまう事になりました。

 

その借入で財務諸表はどうなるのか

金融機関他、外部の方が企業を判断する際には、

会社の歴史や商品力や、経営者の人となりもありますが、

一番明確なのは数字での判断です。

 

その大枠の基準は、安全性、収益性、成長性、生産性で判断されます。

経済産業省が解りやすい分析ツールがありますからご紹介します。

通称ロカベン(ローカルベンチマーク)と呼ばれるものです。

www.meti.go.jp

ここに、自社の経営数値を入力するだけで、自動的に分析してくれる

便利なツールです。

 

この数字が、自社の事を代弁してくれる事になります。

よい数字だと有難いのですが、苦しい時には、情け容赦なく、

『この会社は厳しいです』と説明する事になります。

 

借入をすることで他人資本に頼っている会社、

借入を返せる見込みがどのくらいあるのか、

という見方をされるようになります。

 

チェックポイントが駄目な時

会社というものは、成長するに従い、資産を増やしていきます。

それは設備であったり、建物であったり、人であったりします。

 

成長している時は、それらが会社の実力(売上や利益)と

バランスしていますから、問題ありませんが、

一旦、歯車が狂いだし、売上や利益が減少しだすと、問題が生じます。

そしてそれらの資産を持っているが故の経費が利益を越えてしまうと、

赤字に陥ります。

 

その時、経営者は頑張ろうとします。なんとか、

会社の規模や人員を削らずに

維持して頑張ろうとし、その結果、

借入を増やしていく事になります。

 

上記3つのチェックポイントが駄目な時は、

返せる目途がないという事です。

その日がいずれ必ずやってきます。

その事に、一刻も早く気付いて、

身の丈に戻す事が重要です。

 

つまり、リストラです。人員を削減し、

会社の規模を適正にする事です。

 

これには多くの痛みを伴います。

昨日までの仲間である従業員に会社を

去ってもらわなければなりません。

仕入先やお客様の期待に背く事になるかもしれません。

www.k-genri.com

それでも会社を破綻させるよりは、こちらの道を選ぶべきです。

破綻は全てを失い、多くの方に迷惑をかける事になります。

経営者がカッコつけている場合じゃない。

 

もし、万が一、従業員に退職してもらわなければならないなら、

余裕のあるうちにそれ相応の退職金を支払って、

再就職先を一緒になって探すことだって出来ます。

取るべき選択肢は多い方がいいのです。

 

まとめ

やみくもに借入を増やすのは、

自分の首を絞める事になると

お伝えしてきました。

私の場合がやみくもだっただけに、

大きな反省から生まれた自分に対する戒めです。

 

鳥の目と虫の目を合わせもった経営計画と

借入の決断が何より大切だと実感しています。