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会社を再建するか、断念するかの判断

様々な事を教えてくれる財務諸表

会社には財務諸表というものがあります。

損益計算書と呼ばれる、どれだけ売上げて、

どれだけの経費を使って、どれだけの利益を上げたのかを表すもの。

P/Lともよばれます。

 

それに対して、貸借対照表と言われる、

ある時点での資産と負債の状況を表したもの、

バランスシート(B/S)と言われるものです。

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経営者であれば毎月、当たり前に見ている資料であり、

これが経営の結果であり、

会社の様々な状況が凝縮されているものです。

今月の売上は○○なのに、経費は○も使ってるじゃないか。

 

売上はまずまずなのに、利益率が低いから

利益が出てないじゃないか。色んな事を教えてくれますが、

この2つの資料では見えてこない大切なものがあります。

それは、ある期間をとらえた変化であり、傾向。

 

はたして、売上は上がってるのか、下がってるのか。

上がったり、下がったりしてるのか、それとも下がり続けているのか。

利益率は上がる傾向にあるのか、下がる傾向にあるのか。

経費の額はどうなのか。それら重要な数字の傾向値を見る。

これを趨勢比較といいます。

 

実は、この傾向が我々に実に大切な事を教えてくれているのですが、

業績が落ち込んでいる時は、つい、今の数字にとらわれて、

今を何とかしようとして、やれ経費を下げようとか、

営業を頑張って売上を上げるんだとか、目先の改善ばかりに努めます。

 

成長する事業分野か衰退する事業分野なのか

世の中は常に変化を遂げています。

過去に多くの人に必要とされた商品やサービスも

時代の変化とともに不要とされる事は良くあります。

 

企業とは環境適応する事がなにより大切なのに、

今いる場所で頑張ろうとしてしまいます。私がそうでした。

過去に売れた商品が次第に売れなくなってくると、

値段を下げようとします。

しかし、原材料を変えたり、

工場での生産性を改善したりすることには

限界があります。その結果自分の利益を削り始めます。 

利益率の低い商品は、売れば売るほど、

倉庫での作業費や物流費用がかかり、なお利益を圧迫しだします。

どんどん悪循環が始まります。

 

この事業は衰退している。早晩、お客さんはいなくなる。

だったらとっとと成長していく事業分野へ移行しなさい。

それを教えてくれるのが先の財務諸表の傾向値、趨勢比較です。

 

だから、経営者は毎月、この趨勢比較をすべきだと思います。

商品別の売上だったり、事業別の売上だったり、利益率だったり。

その数字の変化が環境の変化を明確に教えてくれます。

 

どこが限界なのか

経営者であれば、この傾向に気付かない訳はありません。

それなりに、感じ取り、悩み苦しみ、あらゆる手をうっているはずです。

それでも、改善が出来ない事があります。

それどころかどんどん悪くなる。このままでは、

どうなるんだろうという恐怖に襲われる。

次第に、冷静さを失い、正しい経営判断が出来なくなる。

 

毎日、重大な決断に迫られるようになりますから、

部下は経営者に判断を仰ぐようになります。

それらは経営者を追い詰めます。

 

自主再建と私的整理と法的整理

最悪の場合、会社は倒産してしまいます。

連帯保証をしている社長は個人破産をしなければならなくなります。

www.k-genri.com

破産するにもお金がかかりますから

ある程度の資金は残しておかなければなりません。

そんな事は避けたい。そうなるよりも、

出来れば、誰にも迷惑をかけずに会社を整理する道を選びたいし、

経営者としても再出発出来る余力を残しておきたい。

 

もちろん、自主再建という会社を生き返らせる事が出来れば何よりです。

誰だってその方法を選びたいから、最後まで頑張ってしまう。

 

判断の基準を明確にする

頑張らなければいけない。でも頑張り過ぎてはいけない。

その基準は何なのか?

 

それは、様々な要因によって変わる事でしょう。

手持ち資金量であったり、会社の歴史で会ったり、

規模であったり、銀行からの信用で会ったり、

従業員の能力であったりその組合せで様々です。

一概に基準を設ける事は出来ません。

 

しかし、あえて基準を設けるとすれば、

10年後が経営者の頭の中で描けるかどうかだと思います。

経営者はその事業のプロです。

その商品のプロですから本当は誰よりも将来の事が解ってるはずです。

それを先の趨勢値、傾向値が証明してくれます。

 

傾向が下がっているならそれなりの原因があるはずです。

たまたま、気温のせいで下がってるだけなのか、

時代の流れで下がっているのか。

時代の流れには逆らえないものです。

 

誰かに相談してみる

会社の経営の事を誰かに相談するのは嫌なものです。

相談する為に悪い数字を伝えなければならない時はなおさら躊躇します。

しかしこの躊躇が手遅れを生んでしまう、

社員や関係者に迷惑をかける事になるかもしれない

と思うと話は変わってきます。

 

まずは、取引のある金融機関の担当者に

相談する事をお勧めします。

銀行は企業をランク分けしています。

正常先、要注意先、破綻懸念先、破綻先といった具合です。

shikin-bank.com

この要注意先にいると、まだ金融機関は

それほど強い事は言わないかもしれません。

まだまだ経営者には遠慮をしています。

しかし、何かサポートしたいと思ってくれているかもしれません。

だとしたらこちらから相談をしてみることです。

 

適切なコンサルや、経験豊かな専門家(税理士や弁護士)を

紹介してくれるかもしません。

それによって最悪を回避する1歩になる可能性は大きいと思います。

 

まとめ

会社が苦しい時、これからどうなるんだろうという不安を抱えている時に、

何か1歩を踏み出すのはとても勇気がいる事です。とても嫌な事です。

 

それでも、『あの時、勇気を出していれば』と後悔しない為には、

出来るだけ早めに動く事だと思います。

先延ばしにしていい事はありません。

 

早ければ早いほど選択肢は増えます。

経営者のプライドは、カッコつけることでなく、

会社を残す事、社員を守る事だと割り切れば

この重たい1歩は踏み出せるはずです。

 

それが後に致命傷を避ける事になるかもしれません。