それでもあきらめるな どん底人生

これからの人生を最高にしていくために

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負ける極意

ビジネスに勝者と敗者があるとすれば、私は敗者です。

長年経営してきた会社を、窮地に陥れ、
大手企業に社員と事業すべてを買って頂きましたが、
一部の金融機関への返済を免除してもらいました。

つまり大人の約束を果たせなかった敗者です。

なんとか乗り越えようとした時期

会社というのは、いい時もあれば、
あっという間に窮地に陥る事があります。

ある時を境に、みるみるうちに、
売上が減少し始め、焦って打つ手はそのほとんどが
空振りました。

みるみるうちにと表現しましたが、今になって冷静に振り返ると、
ちゃんとした予兆はありました。

まだ、当たり前に経営をしている時、それらはあらわれてました。
ちょっとしたお客様のクレームだったり、在庫の増加だったり、
社内の会話だったりです。

あれを、一過性だと見過ごさず、しっかりと対応してたら
どうなっただろう?

そうやって自分を責めた事が何千回あったか解りません。
しかし、まだ、一途の望みがある時には、どんなに自分から
攻め立てられても、歯を食いしばる事が出来てました。

『負けるな』『土壇場の今が大事なんだ』『必ずなんとかなる』

時にこんな根拠のない楽観主義に支えられながら、
なんとか乗り越えようとした日々を過ごしてました。

自主独立再建を諦めた時

しかし、現実には、どんどん状況は悪化して行く一方でした。
そして、いつまでも楽観主義に甘えていられない状況がやってきました。
社員がいる、仕入先がある、お客様がいてくれる。
その現実をしっかり受け止めなければいけない。

そして決めるのは自分しかいない。

そう思った時、自主独立再建を諦め、大手企業に
会社を買って頂く決断をしました。

買って頂くと言っても、スマートな企業M&Aではありません。
金融機関に一部の債権放棄を頂かなければならない
どん底のどろどろとしたものです。

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それは私にとっての負けを意味しました。

その決断と同時に失ったものは、
『なんとか乗り越える』という希望です。

『必ず乗り越えて、またみんなで笑おう』
というです。

それが、消え去った時、
自分の中でプツッと音がした気がしました。

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自暴自棄になりかけた事もありましたし、
つまらん酒の飲み方をしたこともありました。

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ふと、魔に差されて馬鹿な事を考えた事もありました。

でも、我に返った時に思ったのは、
『同じ負けでも、これじゃー最悪の負けじゃないか』
という事でした。

最高の負け方をしてやる

実は、この気付きの後、急激に忙しくなりました。
もちろん、前向きな忙しさではなく、
事業を買って頂く為の、資料の作成や、
ヒアリング、いろんな説明の為の出張です。

じっとしていると、苦しくてたまらなかった時間が
毎日あっという間に過ぎて行きます。

連日深夜まで資料を作成する事がありました。
家に帰っても、メールや電話が追っかけてきます。

そうやって行動してると、不思議に身体の真ん中の方から
今までにないエネルギーみたいなものが沸いてきました。

『どうせ負けるなら、最高の負け方をしてやる』

負けに、最高や、最低があるかどうは、
確たる認識はありませんでしたが、
同じ負け犬なら吠えてばかりいないで、
堂々としていよう、

行くべきところには自分で行き、
ちゃんと頭を下げ、詫びるべきを詫び、
どんな罵声にあおうとも、取り乱さない。

 たったこれだけの事ですが、
決めた途端、自分の中でスイッチが入りました。

『負けたけど負けない』

負けは素直に認める。私の責任も認める。
しかしこれから起こるであろうどん底の修羅場には
負けない。

これが私にとっての最高の負け方だ。

そう言い聞かせる事にしました。

最高の負け方は難しいけど価値がある

一旦決めたものの、最高の負け方はそんなに簡単ではありませんでした。
何度も、『やっぱ無理』『逃げだそう』『ブチ切れてしまえ』

そんな誘惑に駆られ、あやうくまた、
魔界に入りそうになる事もありました。

今になって振り返ると、紙一重とはあの事だな・・・
そう思うほどです。

では、何故踏みとどまり、乗り越えられたか?
それは、『ここまで諦めずに来たのにもったいない
というなんとも情けない感情です。

もっと気合の入った、
『何が何でも』的なものだとカッコいいのですが、
しかし、この、もったいない

はそれなりに有効です。

『ここまで登ってきたのに、頂上はあと少しなのに下山しちゃうの?』
『今までの、あの辛い日々は何だったの?』
ああ、もったいない

これは、貧乏性の私にはかえって、
大きなモチベーションになりました。

最高かどうかは解りませんが、
単に負ける、なすがままに負けるより、
自分の意思を貫いて負ける負け方には、
それなりに価値がある。

そう思えるのです。

まとめ

同じ負けでも負け方は色々ある。

これは、どん底の負けを経験した
私なりの勝手な解釈です。

誰かに偉そうに話す事ではありませんが、
そんな勝手な解釈で、
前向きなエネルギーを出す事が出来た事実は、

お伝えしてもいいんじゃないだろうか。

そんな思いでブログにしました。

今日も読んで頂きありがとうございます。