それでもあきらめるな どん底人生

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人生を賭けた会社を去る時

人生を賭けて取り組んできた自分の会社を、
大手企業に買ってもらい、数ヶ月になります。

今は、残務処理と、一営業のお手伝いをしながら
会社に残っていますが、タイミングを見計らい、
家族のようなこの会社を、近々去ろうと思っています。

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会社を去るとき


今の会社の経営は、新しく赴任された社長さんの下、
かつてのわが社の若手の人達が中心になって、
頑張ってくれています。

それは、それは心から感謝の気持ちでいっぱいです。
人生を賭してきた家族のような会社が、
新しい経営陣によって蘇っていく様は、とても嬉しいものです。

たとえ、そこに私がかかわっていなくても、
会社が元気になっていく姿は長年夢見てきたことです。

どんな状態だろうと、誰がやろうと、やはり嬉しい。

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今の私に出来る事、やるべき事

しかし、大手のグループに入ったとはいえ、
そう簡単には再生は出来ません。そこには、今までとは違った
新しい努力や、取り組みが必要です。

今までに経験したことのない、未知との遭遇に
右往左往しながら、新たなプレッシャーや困難に
歯を食いしばって立ち向かっていく、かつての部下達の姿を眺めています。

そんな時、つい口をはさみたくなることがあります。
そのやり方より、こっちの方がいいんじゃないか?

そんな言葉が喉から出かかって、飲み込みます。

新しい会社、新しい社長には、それなりのやり方がある。
私は社長じゃないんだから、方針には従っても、
経営に口を出すのはやめよう。

立場によって見え方、考え方はまるで違う

それにしても、社長として見えていた景色と
一社員として見える景色がこれほどまでに違うのかと
驚かされます。

どちらがいいとか悪いとかではなく、
どちらが正しくて、どちらが間違いとかいう事でもありません。

組織の一番上にいて、最後は自分が決めるしかない、
そのすべての責任を取らなければならない人と、

現場に一番近いところにいて、細部まで知り尽くして、
そこを何とかしようと思ってる人とでは、
見え方も思考回路も違って当然です。

あえて言うなら、どちらも大切です。必要です。
全部が無理なら、それぞれをバランスよく、
知った上で、判断し、行動することが必要です。

そのバランスを欠いたとき、チームというのは、
少しずつ力を失っていくもんなんだと
今更ながら思い知ってます。

リーダーは実に難しい

だからこそ、あらためてリーダーという任務は
難しく、大変で、とても大切なんだと思います。

こんな難しい大変な事を私は、一人でやろうとしてたのか?
そんな、後悔のような、気付きが起こってきました。

もっと、部下を信じて、頼ればよかったんだ。
『すまん、助けてくれ、君の力が必要なんだ』
最後まで、この言葉を使わなかったことに気付きました。

もしかしたら、部下は、この言葉を待ってたんじゃないだろうか。

『一人で背負わないで私達の事も信用してください』
そう思ってたんじゃないだろうか。

それなのに、一人で、しょい込んで、社長の責任と思い込み、
勝手に落ち込んで、不機嫌になり、
周りに不快な空気を振りまいてたんじゃないだろうか。

だとしたら、あまりにも滑稽で、リーダー失格です。

過去の日本の素晴らしい名将にも
必ずと言っていいほど優秀な腹心がいます。

織田信長に豊臣秀吉が、上杉景勝に直江兼続が。

もしかしたら、その歴史に名を残すような素晴らしい
リーダー達ですら、部下を頼りに助けを乞うていたのではないだろうか。

そんな、妄想が沸き上がりました。

私に残された仕事

だとすれば、私に残された大切な仕事がある。

あの社長だった時に、何とかしたい、解決したい
と思いながら出来なかったこと。

その多くは、過去からのしがらみでした。

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昔からの関係があるからとか、昔からこうやってたからとか、
変える事で、困る人がいるとか。

変えなければいけないとわかっていながら、
つい、そのままにしていた様々な事があります。

それらを力づくで変えるとすれば、かなりもめます。
争いがおきます。強力な抵抗にもあいます。
そして、恨まれることもあります。

しかし、いずれこの会社が通らなければならない道だとすれば、
私が最初に通って道をつくればいい。
これから会社をよみがえらせてくれる若手が
そのあとに、通りやすい、道をつくればいい。

そう思うと、体の真ん中の方で、熱くたぎった
マグマのようなものが存在することに気付きました。

どん底の時には、感じる事のなかった、エネルギー。
きっと、これが遣り甲斐というやつなんでしょう。

まとめ

どんなに素晴らしいリーダーがいても、
組織やチームは、一人では勝てない。

たとえ1度や2度勝てたとしても、勝ち続けることは困難です。

それだけ競争の厳しいこのビジネスの世界で、
常勝チームを作るのは、リーダーが部下を信じて、
頼る事ではないかと思えてきました。

かつての部下である現在の若手経営陣が、
私を頼ってくることはないかもしれません。

しかし、かつての私のように、自分で何とかしなければと
一人苦しんで戦っている若手の姿を見ていると、

『彼らがいずれ必ず通る道にある、
私が残してきたしがらみは私が排除してみせる。』

そして、その目途が付いた時が、
私がこの会社を去る時

そう密かに決めています。