それでもあきらめるな どん底人生

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『失敗の原因④』徹底力の欠如

私の企業経営の失敗(会社売却)の原因を何度も考え突き止めていると、
いくつかの答えが見えてきます。

www.k-genri.com

それは失敗の原因であると同時に、
裏返せば失敗しない為の方法であり、
成功への道でもあるのではないだろうか。
そう考えこのブログを書いています。

我社はアパレル商品を製造して
流通各社に卸して売ってもらうビジネスを
長年続けてきました。

ですから、いかに良い商品を企画して、
製造して、チェーン店に営業して買ってもらう事が大事でした。

買ってもらったら納期に間に合うように、
製造します。品質管理もしっかりやらなくてはなりません。

そして物流倉庫から出荷です。
お客様によって伝票や発送の方法が違います。
ほんの些細なミスが大きなクレームになってしまいますから
細心のチェックが必要です。

今更ながら少ない人数で、実に多くの事をやっていたんだと驚きです。

 

そんな我社に経営危機が訪れました。

今まで、長年やってきた方法が一気に通じなくなり、
あっという間に業績は急降下しました。

焦りが次第に平常心を奪っていく

何とかしなければ、そう思って考えたあげく、
新しい事業を始める事にしました。

それは、チェーン店に卸すだけではなく、
自分で直接売るという事です。

『これからはネットだ』そう判断して、
ネットの部署を新設し、経験ある人を雇って、
資金も思いきって投入しました。

また、『衣料品だけじゃ先が見えている』そう思い、
自社の商品を買ってくれているお客さんに向けた
全く別の商品である健康食品を始めました。

あるいは、『どこにでもある素材で服を作っても価格競争になってしまう』と、
あれこれ研究開発して肌に優しい特殊な素材で商品化をしました。

他にも色んな事を手掛けました。

お陰でみんな大忙しです。でもその時は、充実してました。

『我社はチャレンジしているんだ』そう思うと、
夢が膨らみ、今日の売上の事を忘れる事が出来ました。

そして、『これだけ手を打っているんだからもう大丈夫だ。』
『やる事はやっている』そんな根拠のない自信が芽生えていました。

いや、本当は自信なんかじゃなく、
不安を紛らわせていただけなのかもしれません。

それでも売上低下が止まらない

しかし、現実は逆でした。
一旦、急拡大したネット販売は、
大手競合他社がこぞって参入してきた為に、急激に落ち込み始めました。

店舗販売も一気に店舗数を増やしたものの
売上は上がってくれませんでした。

新規の開発商品も、広告費ばかりがかさみ、
なかなかお客様には受け入れられませんでした。
そこに、今までの本業の更なる落ち込みが始まりました。
八方から集中砲火を浴びている感じです。

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始めても徹底していない

『なんでなんだ』『アイデアは間違ってはいないはずだ』

一旦始めた事業が上手くいかないと、
問題が続出していきます。
救世主になる新規事業が、
いつしか問題発生源の大きなお荷物に変わっていました。

今になって振り返ると、その原因が明らかです。

それは、『徹底していない』からでした。

考え抜いたアイデア程、自己陶酔に陥ってしまい、
目が曇ってしまいます。
本当は広く多くの人に意見を求めるべきだったのに、
焦る気持ちは私からその余裕を奪いました。

そして、私はそれらあれこれを一度に行おうとしました。
1つの事をある程度実行したら、
『あとは頼んだぞ』と部下に任せてました。
そして、次なる目標に没頭する。
しかしこれもある程度まで計画が出来ると、
また同じように『あとは頼んだぞ』にしていました。

なによりも大切な、振り返りが出来てませんでした。
本来、頼んだ事がどの様に進行しているか、
ちゃんと話を聞く、一緒になって考え直すべきなのに、
そんな基本的な事が出来てませんでした。

その根本にある原因は、勇気の不足だと思います。

勇気が不足していると、不安になります。
この不安を払拭する為に、やたらとあれこれ手をつけたくなる。
それをやってしまっていました。

大切なことは、どんなに任せた事でも、
社長である私が、とことん考え抜いて、
成功した状態をイメージする事です。

もし成功イメージが描けないのであれば、
とことん議論を尽くすことです。

社員からどんなに煙たがられようと、
嫌な顔されようと、納得するまでとことん逃げない。
いい加減で終わらせない。断固として行う為の勇気が必要なのです。

その為には、体力が必要です。
身体的体力も必要ですが、なにより精神の基礎体力が必要です。

上手くいかないと疲れます。
反対意見を言われればめげそうになります。
身体の中のエネルギーはどんどん消費されていきます。

その時に、『このへんでいいか』と思うか、
『もう一度納得行くまでやり直そう』と思うか。
その差は、いずれ大きな違いになって現れてきます。

成長している企業の共通点はこの『徹底力』にあると思います。

それは何も企業だけに限らず、素晴らしいスポーツ選手や音楽家も、
必ずどこかで一心不乱に徹底的に打ち込んだ経験があるはずです。
その時、人は無我夢中の境地に入り、何かが変わる。

あれもこれも平均的に取り組んでいる以上、
徹底力は発揮されないという事を、失敗を通じて実感しています。

まとめ

今日という日は当たり前に過ぎて行きます。
また明日も同じような日がやってくると信じて疑いません。

しかし、ある日突然、
一気に急降下が始まるのもまた人生です。
一旦、滑り落ち始めたら早いです。
どんなにしがみつこうとしても無理なものは無理です。

おまけに焦りが生じて我を忘れると
さらに加速度がついてしまいます。

それは避けれない事なのかもしれません。
しかし、今、我々に出来る事は、
今日という一日を大切に、目の前のやるべき事を徹底する。

その為に必要な精神の基礎体力を
少しずつでも付けて行く事ではないでしょうか。