それでもあきらめるな どん底人生

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会社を連帯保証して経験したこと

中小企業経営者が金融機関から借り入れを行う際、

個人保証を求められます。

 

もし会社が借りたお金を返せなくなったら、

個人で弁済いたします。といったものです。

 

しかし、会社が返せない借金を個人で返せる訳はありません。

そんな余裕があれば、とっとと返済しています。

それほど、資金繰りというのは経営者を追い詰めます。

 

日々、この資金繰りで苦しんでいる経営者の方は

多いのではないでしょうか。

 

 

銀行への返済が滞ったら

銀行への返済が困難になったら、まず最初に

銀行に対して、返済期日を延ばしてもらう事をお願いします。

これは、リスケと言う、スケジュールを変えてもらうという事です。

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上の記事でも書きましたが、複数の金融機関から

借入を行っている場合は、すべての金融機関から

同意を得なければなりません。

 

同じような資料で同じような説明を行っても、

受け止め方が違い、判断が変わってきます。

ここは粘り強く、誠意を尽くしてお願いするしかありませんでした。

 

倒産を回避する方法

返済を猶予してもらっても、いずれ返さなければなりません。

猶予を頂いたことで、会社の体制を整えて、売上を伸ばすとか、

利益を改善していければいいのですが、ほとんどの場合、

すでに手は尽くしています。

 

その場合の1つの対策として、会社分割や事業譲渡という方法があります。

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いわゆるスポンサーと言われる、

他の企業に会社を引き継いでもらう方法です。

 

私の場合は事業譲渡という方法を選択しました。

一言で引きついでもらうと言っても、

そう簡単ではありません。

 

かなりの時間を有して徹底的に会社を調べ上げられます。

財務諸表にある数字の本当の実力、実態を

あらゆる角度から徹底的に調べ上げられます。

 

会社のデューデリ

この作業は専門家によって行われます。

監査法人や、コンサルタント会社、弁護士、会計士といった

公平な判断が出来る信頼される人や組織に委ねられます。

 

社員に内密で進めてましたから、土日を使って

終日、朝から晩までみっちり行われました。

それでも終わらないから、月曜にも引き続き行いました。

 

私も精一杯でしたが、調査している方も大変です。

泊りがけで3日間みっちりです。

 

お昼を誘いましたが、断られました。

公正を期すためでしょうか?

必要以上の接触は持たないようにされていたように思います。

 

その場では、結論は聞かされませんでしたが、

後日数百ページにも及ぶ重厚な資料となって、

我が社の実態が数字で示されたのを見て、

唖然としたのを覚えています。

 

もちろん悪い方の唖然です。

こんなにも低い評価なのかと愕然としました。

 

コンサルタント会社からの宣告

先の監査法人とは違う、当社についてもらってた

コンサルタント会社の方から、面談の申し入れがありました。

 

今回の面談は今までと何か違うと感じてました。

先方は3人で当社は私一人。

最初は和やかに世間話から始まりましたが、

中盤に差し掛かったところで、本題が始まりました。

 

色々調査した結果、スムーズな形での再建は困難である

という事が、告げられ、同時に銀行への債権放棄の

お願いをしなければならなくなる可能性が高い事。

 

そうなれば、個人保証をしている社長の個人資産にも

影響が及ぶ。という事を告げられました。

 

とても優しい口調で、遠回しにお話しいただきましたが、

すぐに倒産、破産という文字が頭に浮かびました。

今思えば、この時、ある意味、

覚悟というスイッチが入ったように思います。

 

コンサルタント会社の支店長さんも、

言いづらかったと思いますが、

とても氣を使って頂きながら、

宣告を頂きました。

 

経営者保護のガイドライン

その後、クロージングまでにはまだまだ

長い期間を有しました。

どのような結果になるかまだ決まってませんでしたから、

 

会社がどうなるのか、個人がどうなるのか、

わからない状態がかれこれ半年以上続きました。

どうなるか分からない状況というのは、

一番しんどい時間なのかもしれません。

 

その間、倒産とか、破産とかいう本を読み漁りました。

どの本にも、破産は恐れる事はないと書かれてましたが、

鵜呑みにはしませんでした。

いずれにしてもあれこれ個人の事も

調べられるんだろうと思ってました。

 

弁護士さんに預金通帳を提出する

その日は、やはりやってきました。

お世話になっていた、弁護士さんから電話があり、

『社長の個人の資産を提出してください』

と言われました。

 

全ての預金通帳の3年分のコピー

保険の契約書、有価証券証書、ゴルフ会員権、

車の査定書、その他所有する物品の評価

もちろん自宅の登記簿謄本などです。

 

この時にはすでに覚悟出来てましたから、

自分でも不思議なくらい事務的に

提出した事を覚えています。

 

ただ、預金通帳の1行1行について聞かれた時には

少しびっくりしました。

 

友人に貸してたお金の出し入れの時は、

どこのだれで、なんのためのお金なのか

まで聞かれましたが、それが問題になることは

ありませんでした。

 

 まとめ

結果的には、スポンサー企業に会社を引き受けて頂き、

倒産と破産は免れました。

社名も従業員の雇用も、仕入先とのビジネスも、

今まで通り、継続いただきましたが、

金融機関には一部の債権を放棄頂く事になったので、

 

私の個人保証が発生し、自宅を売却することになりました。

幸い、経営者保護のガイドラインという制度を

活用させていただくことが出来たので、

新しい人生をスタートさせることが出来ました。