それでもあきらめるな どん底人生

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どん底での銀行との付き合い方

銀行は敵じゃない

経営が窮地に陥ると、身の回りの環境が変わります。

よく銀行は晴れの日には傘を貸そうとするが、

雨が降り出すと傘を取り上げようとする、などと言われます。

 

本当に傘が必要なのは雨が降ってきたときじゃないか。

というのは、あくまで借りている方のいい分。

銀行はお金という商品で、利益を出すわけですから、

ビジネスにならない事はNGである事は当然です。

 

 

我社が窮地な時には、かなり厳しい事は言われました。

しかし、今、総じて振り返ってみると、

そこには、我社の事をなんとかしてやろうという

気持があったように思います。

 

銀行の方の仕事を見ていて、

つくづく厳しい仕事だと思います。

当社のような、大きな問題を抱えている最中の会社に、

対応するのは、とても厳しく難しい仕事だと思います。

 

そんないやな仕事を粘り強く対応頂くのには、

相当な体力と忍耐力が必要です。

 

ですから、何度か大きな声を出されたり、

そこまで言いますか?という事もありましたが、

必ず、後日謝られました。『先日は失礼しました』と。

 

銀行は敵じゃない。不甲斐ない当社を何とかしようとしてくれる

存在なんだ。そう思えたし、そう思うと決めていました。

 

自社が厳しいからと銀行を敵視してしまうのは簡単です。

しかし、誠意を込めて説明をすれば、見方になってくれるのも銀行です。

その為には、胸襟を開いて、相談をする事が、なによりも大切です。

駄目もとでも、相談する方がいいに決まってます。

www.k-genri.com

 

忘れられない銀行マン

銀行の担当者はほぼ、2年くらいで変わります。

やっと気心が知れて、話がしやすくなったと思った時に

担当が変更になり、また新しい人との0からの、

人間関係の構築を始めなくてはなりません。

 

これはお金を扱う企業ならではの、

ルールなのだと思います。

気心が通じて、感情が入れば、

間違った判断をしないとも限らない。

というのが理由なんだと思います。

 

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苦しい時に、当社の事をとことん考えてくれた

ある銀行の若い担当者の方がいました。

 

彼は組織に属していますから、上役がいて、

彼なりの立場というものがあります。

 

それでも、当社の為に、

粘り強く何度も掛けあってくれたり、

新しいお客さんを紹介してくれたり、

同行してくれたりしてくれました。

 

もしかしたら、

それで彼の立場が悪くなるんじゃないだろうか?

と、私が心配するほどでした。

 

とても有難かったし、心から頼りにしていましたが、

ある日、そんな彼の異動が決まりました。

それも、我社の状況が益々厳しくなりかけたまさに

そんな時でした。

 

聞いた時は、愕然としましたし、大きな拠り所を

失った気持になりましたが、どうしようもありません。

 

挨拶に来られ、

『御社がこんな時に異動なんてとても悔しいです』

と言ってくれた時、思わず熱いものが込み上げてしまい、

目を潤ませてしまいました。そんな私を見て、なんと彼も

目を赤くしてくれていました。

 

いつかこの人には必ず恩返しをしよう。

そう誓った瞬間でした。

 

いずれどん底には終わりが来る

厳しいどん底の状況は終わりが来ます。

それが、どういう終わり方かは別にして、

いつまでも続くことはありません。

 

それでも、真っただ中にいる時には、

この苦しみは永遠に続くのではないか

と思ってしまいます。

 

そんな時、ある人から言われた言葉。

『明けない夜はない』という一言。

その言葉にどれだけ勇気づけられたか。

 

そうか、いつか終わるんだ。

だったらそれまでは踏みとどまろう。

そう思う事が出来ました。

 

『人間追いつめられた時に本音を吐く。

その時、どんな本音を吐くか、それが大事』という

相田みつおさんの詩はとても大好きな、

私にとって大切な詩です。

 

しかし、そんな大切な詩も

追いつめられた真っ最中では、

効力を失いそうになり、

弱音という本音が出てしまいそうになり、

負けそうになりましたが、

家族の顔や、先程の銀行マンの顔や

社員の顔や、一緒に戦ってくれている役員の顔が浮かんでくると、

なんとか踏みとどまる事が出来ました。

 

まとめ

クロージングを迎えるまでには、様々な出来事があり

様々な人に支えられる事になりました。

 

揉めることもありましたし、弱い立場なのに、

言い返してやろうと思ったことも何度もありましたが、

 

今となって、1つだけ良かったと思う事があります。

それは、役員と一緒に話して、ある時、決めた事。

『この結果がどうであろうと、

最後まで、嘘だけは付かないようにしよう。』というものです。

 

全て終わった時に、嘘をついてなかったら、

どんな結果であれ、胸を張って立っていられる。

だから、どんなに苦しくて、逃れたくても、嘘はつかない。

 

それは、今でも本当に良かったと思える決断でした。