それでもあきらめるな どん底人生

これからの人生を最高にしていくために

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どん底で出会った仏様

どん底にいるとき

会社がどんどん悪くなっていくときは、まさにどん底でした。

明日何が起きるのか、これからどうなるのかがわからず、

不安に包まれ、出口の見えないトンネルの中で苦しんでいました。

 

誰にも相談できず、夜は一人ベットの中で、

悩んでばかりいました。悩んでも答えは出ないので

無駄な時間を過ごしていたんだと思います。

 

 

どんなに考えないようにしても、

次から次に不安が襲ってきて考えさせられていました。

 

日中は、社長室で社員の報告に頭を抱え、

銀行からの呼び出しにオロオロし、

メールや電話の内容に怯えていました。

 

『もういいや』という思いに駆られた時

何度か、『もういいや』と思いかけたことがあります。

やってもやっても成果が出ずに、益々悪くなるばかりだと、

魔界の扉が開くような気がしていました。

 

高層階のマンションの吹き抜けから下を見下ろした時や、

交差点で赤信号を待ってる時に、猛スピードで走り去る車のすぐそばで、

ホテルに泊まった時に、置いてあった浴衣の帯を見つめていた時、

そんなときに、『もういいや』という思いがよぎったことがありました。

 

1人目の仏様

そんな時に限って、どうゆうわけか電話をかけてくれる先輩がいました。

業種が違う、不動産屋の社長さんです。

『どうだー、頑張ってるかー』決まって、

私がぎりぎりの状態の時に

電話をかけてきます。そして食事に誘いだしてくれて、

話を聞いてくれて、出来る限りのサポートをしてくれました。

 

結果的には、自宅の売却の手配から、

引っ越し先の手配、様々な事で助けてもらいました。

この方なしには、間違いなく私は今ここにいません。

そう断言できる仏様がいてくれました。

 

何もかも私の気持ちをお見通しのその先輩に、

あるとき、聞いたことがあります。

『なぜ、そこまで私の気持ちがわかるんですか?』と。

 

返ってきた言葉は、

『俺も以前、事業が行き詰って、どうにもならなくなり

一人会社の車で海までいってね、

そこでネクタイを首に回したことがある』

『でもね、安物のネクタイだからブチって切れやがってさ』

『なんか、まだ生きとけと言われたようで、やめちゃったよ』

 

そんなことがあったなんて知らなかった。

だから、こんなどん底の奴の気持ちが分かってもらえるんでしょう。

 

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2人目の仏様

高校時代に仲の良かった奴がいます。

柔道部のキャプテンで、体が大きく迫力のあるやつです。

しばらくご無沙汰していたそいつから、電話がありました。

 

学生時代からの友人というのは不思議なものです。

つい、『実は会社がしんどくてなー』と話したら、

いつの間にか、すべてを喋りつくしてました。

誰にも言えない、恐怖や、ブチ切れそうな不満、それでも

なんとかギリギリこらえている状況。

 

自分でも不思議なくらい、次から次に言葉が出てきます。

喋りながら、『俺ってそんな風に思ってたんだ』という気付きがありました。

彼は最後まで、否定せず、たまにうなずきながら聞いてくれました。

 

人に話を聞いてもらう事が、これほど有難いとは思いませんでした。

なんだか、心が晴れ、『やることはやった。あとは成るようになる』

そう前向きに思えるようになりました。

 

この仏様は、それから毎日、メールや電話をよこしてくれるようになります。

世間話や、自分の悩みや、失敗談。

他愛のないことばかりですが、毎回心が和みました。

 

3人目の仏様

会社の事業譲渡にあたって、国の機関である

中小企業再生支援協議会のサポートを受けました。

そこで担当して頂いた方は、

銀行のOBであり、この道のプロです。

 

金融機関に債権放棄をしてもらう事が

どれだけ大変な事であるか、十分に解ってある方ですから、

毎回お会いするたびに、緊張していました。

 

あるとき、二人でのミーティングを終え、

エレベーターまで見送っていただいたとき、

ひどい顔をしていた私に向かって、

『明けない夜はないからね』と言葉をかけてくれました。

 

どん底で、不安に包まれてどうしようもない時に、

この道のプロからかけられた『いつかは終わる』というその言葉は

私にとても大きな勇気を与えてくれました。

 

『あの人が言ってるんだから、間違いない。

だったら、もう少し頑張ってみよう』そう思えました。

 

あるときは、自宅の売却に伴い、仏壇の心配をしていただいたり、

年老いた母の事や、子供たちの事を心配頂いたりしてくれました。

国の機関である公正中立な立場を貫きながらも、

債務者である私に、一人の人間として相対してくれた方でした。

 

いつか、二人で呑める日がくれば、

『あなたのお陰で』を心を込めて伝えたいと思っています。

 

まとめ

ほかにも沢山の仏さまに出会いました。

ほとんどの人は、私の心の中を全てお見通しと思えるほど、

理解してくれていたように思います。

 

それらの方に共通して言えるのは、人生の経験が豊富で、

人生を一生懸命生きていているからこそ、自分も多くの苦難を経験し、

だからこそ、人の心の痛みや弱さが分かっていて、

人とのつながりの大切さがわかっている方ではないかと思います。

 

そんな人の事を人間通とでもいうのでしょうか。

だとしたら、1歩でも近づきたいものです。

そして、いつか、この受けた恩を他の誰か

必要としている人に返したい。

 

そう思わせてくれたのは、私がどん底で出会った仏様たちです。