それでもあきらめるな どん底人生

これからの人生を最高にしていくために

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どん底との上手な付き合い方

経営する会社がどん底のそのまたどん底だった時、
更なる一撃を食らいそうになった瞬間、
自分のどこかで声がしました。

『逃げろ』

逃げる事のメリット

そんな時は、素直にその声に従いました。
もちろん一時的な逃げです。

事務所を出て、あてもなく車を走らせて、
運転してるだけで少しだけ落ち着いてきて、

気が付いたら、海に着いていて、
ただただ波を見つめてました。

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どん底での気付き


波には不思議な力があるもんだ。

どん底の状況では、普段は何気ない事も
妙に感じ入ったり、考えさせられたりします。

見慣れた波を見ながらそんな事を考えていたものです。

『よし、もう大丈夫』そう言い聞かせて
事務所に戻る。

しかしそこには何一つ前に進んでない現実がありました。
逃げたことで、何とか落ち着きを取り戻したけど
なにも変わってない現実です。

逃げてなければ、あのまま、気がふれてたかもしれないし、
怒鳴り散らして、うろたえて、取り乱していたかもしれません。

あるいは取り返しのつかない、行動に出ていたかもしれません。

だから、根拠のない頑張りをするよりも、
逃げてその場を離れてみるのはありです。

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逃げる事のデメリット

しかし、逃げたら逃げたで、その見返りがやってきてました。
以前にも増して恐怖が増幅しているという事実です。

逃げる事で心が休まるのは一時的でした。
その時はしのげても、心は確実にが弱くなっていました。

弱くなった心に増幅した恐怖が襲い掛かってきます。
その攻撃は夜が多かった。

夜中、目が覚めた時、ベッドの中までやってきます。
頭の中を支配して、好き勝手やってくれます。
そんな事が、明け方まで延々と続きます。

今日だけは逃げないと決める

そんなある日、会社の今後を左右する
とても大事な会議が外部の方を集めて行われました。

冒頭に社長である私の挨拶があります。
その後に弁護士の先生の説明があり、
質疑応答が行われる会議です。

正直かなり厳しい意見が出て来るのは想像してました。

だから朝から緊張してお腹が痛くなる始末です。
まだ、誰も来ていない会議室で挨拶の予行練習をしながら
すでに口の中がカラカラになっているのが分かりました。

開始時間の前になると、出席者が来られるので
入り口のドアの前で出迎えました。

この忙しい中、面倒なわが社の為に出てきてくれるのです。
面白いわけがありません。

その顔には笑顔はなく、皆さん厳しい表情です。
挨拶いただけない方も中にはいます。

いよいよ冒頭の私の挨拶になった時、
かなり緊張してほんの少しだけ手が震えたのを覚えています。

しかしその時、また自分の中で声がしました。

『逃げるな』と。

逃げないと決めると心は落ちつく

この声を聞いた瞬間から、手の震えは止まり、
心は不思議な程、静まり、自分の思ってることを
素直に喋ることが出来ました。

どんな質問が来ても、ちゃんと答えよう。
それで不利になっても仕方ない。

『絶対に嘘はつかない』
『その場しのぎをしない』
『自分の言葉で答える』
『誠意は尽くすが絶対に媚びない』

自分を律し、支えてくれる言葉が
次々に自分の中から湧き出てきました。

 様々な質疑の後、なんとか会議は終わりました。

エレベーターを降りてひとりになった時、
立ってるのがやっとなくらいの疲労感が
襲ってきて、初めて我に返ることが出来ました。

前向きな逃げもある

それからも、幾度か内なる声で、
『逃げろ』という言葉が聞こえてきました。

その度に、『よし分かった』そう言って
従っていましたが、すでに逃げれば
恐怖は襲ってくるという事実を知ってましたから、
逃げ方を変えました。

『前向きな逃げ』です。

車をやめて歩く事にしました。
事務所の周りをぐるぐると歩きまわります。

何か解決策を考えながら歩くこともあれば、
ただ無心に歩くこともある。

あるがまま、成すがままです。
事務所に戻った時には、適度な疲労感とともに
少しだけ強い心が芽生えてくれていました。

もう一つは、結構近場にあるご先祖様のお墓に行く。

墓石をひたすら磨いて、お寺の本堂で線香をあげ、
ただ座ってました。

すると、今置かれているどん底が
ただ苦しいだけのものでなく、
大きな意味があるように思えてきました。

お寺とは実に不思議な場所です。

逃げてきた者を前向きにさせてくれる
そんな力を持った場所です。

どん底との得な付き合い方、損な付き合い方

結局、どん底に慣れる事はありませんでした。
辛いものは辛いし、苦しいものは苦しいものです。

しかし、そのどん底との付き合い方には
色々あるものだという事が解りました。

それは『どん底と損な付き合い方もあれば、
得な付き合い方もある』という事です。

損な付き合い方とは、どん底の思うがままに
やられてしまう付き合い方です。

落ち込んで心がやられて、どんどん悪い方に進んでいく
そんな付き合い方です。

一方、得な付き合い方とは、正しい解釈を行う事です。

このどん底には必ず何か意味がある。
折角だからその意味をしかとこの目で見届けよう。

そして、どん底を潜り抜けたときに、
何かの、誰かのお役にたててやろう。

そんな付き合い方です。

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最後に

どん底は、所詮どん底です。

あがいても、戦っても、そう簡単に
ねじ伏せられるものではありません。

だとしたら、『当面付き合ってやる』と腹をくくる。

その上で、自分なりにベストな付き合い方を
見つけてみる。

何故なら、どん底には
必ず終わりが来るのですから。