会社が窮地に陥ると様々な攻撃にあいました。
何の迷惑をかけてないにもかかわらず、
出てきて現状を説明しろ、今後の計画をはっきりさせろ。
あらゆるところからそんな指示が飛んできました。
人は自分の利益の為に行動する
考えてみれば当然のことで、
おたがいに利益が及ぶ事を前提に
信頼関係の下でビジネスを行っているのに、
それが、損なわれる恐れがあれば
なんとかしようとするのは当たり前です。
『おたくも大変ですねー、しょうがないですよねー』
なんて言ってる余裕は誰にもありません。
自分の利益を守るために誰もが精いっぱいです。
不意な攻撃対象になる
ところが、そんな状況の中で、
どさくさにまぎれて、これは理不尽じゃねーのか？
と思える攻撃にさらされる事がありました。
本当に迷惑かけた方には心底、
心を込めて詫びたい。
しかし、あなたは違う。
あなたから攻撃される憶えはない。
あなたからの攻撃には断固戦う。
この攻撃は、多くの方が参加された
集会の場で起こりました。
壇上のテーブルには私を筆頭に
我社の幹部社員が座っていました。
その攻撃は、社長である私にとどまらず、
他の幹部社員にも及びました。
その時、弱ってた心に火が付きました。
呪文『熱くなっても冷静でいる』
一瞬、机をぶったたいて、立ち上がり、
その攻撃の主を怒鳴り返す感情が燃え上がりました。
しかし、次の一瞬で、この言葉が蘇りました。
『熱くなっても冷静でいようぜ』
元読売巨人軍 清原和博さんの言葉です。
かつてテレビで清原さんのドキュメンタリ番組を見た時、
自宅が映し出されてました。
リビングの壁はバットで叩かれた跡で
ボコボコになっていました。
かつての渡邊オーナーとの確執が
取りざたされた時期です。
スーパースターだって色々ある。
人間生きてりゃ、あれこれあるのは当たりまえだ。
その時、どう対応出来るかで、これからが決まる。
私にとって大切なこれからを、理不尽な攻撃で
無駄にされたくない。
そう思ったとたん、『立ち上がらなくて本当に良かった』
つくづくそう思えてきました。
それからというもの、この『熱くなっても冷静でいようぜ』が
理不尽な攻撃にさらされた時の、私なりの呪文の言葉になりました。
そして、この呪文に幾度か助けられる事になります。
シールドを貼る
呪文で一旦は冷静になったものの、
理不尽な攻撃が延々と続く事がありました。
黙って聞いているのですが、あまりにも長いと
さすがにイライラしてきます。
そんな時は、自分の周りに巨大なシールドを張りめぐらす事にしました。
もちろん、イメージの中だけです。
以前、インデペンデンスデイという映画がありました。
宇宙からの巨大宇宙船が地球を征服しにやってくる。
地球連合軍はミサイルを撃ち込むものの
宇宙船の周りに張りめぐらされたシールドに、
ことごとく撃ち落とされます。
あれを真似する事にしました。
これでもかと私に打ち込まれる
理不尽な攻撃が、目の前で撃ち落とされる様は
なんとも愉快に感じてきます。
損得で考える
あの時、とっさに我を忘れなくて良かった。
そう思う事が幾度かありました。
我を忘れて怒りにまかせて、行動していたら
より厄介な事になってたなあ、と思うと、
結果的には得をしたと思えてきます。
無駄なエネルギーを節約できた。
あー得した。そんな感じもしてきます。
この事を、ちゃんと心に刻むようにすると、
とっさの時に、蘇ってきてくれます。
『損するか？得をとるか？
決めるのは自分次第ですよ』
そんな声が聞こえてきます。
それでも駄目なら爆発させる
しかし、人間は聖人君子ではありません。
悟りをひらいた仙人でもない。
だったら、何もかも忘れて爆発させるのもありです。
もし、呪文やシールドや損得判断が
自分を傷つけるだけの我慢でしかない場合は
後先考えず、爆発させてみるのも悪くない。
その時のお約束は、『決して後悔しない』
その事で、損するかもしれないし、
無駄なエネルギー消費をするかもしれないけれど、
爆発させた自分を褒めてやる。
ここで怒らなきゃ生きてる意味がない。
そうやって清々しく飄々と立っている。
もし、その時、後悔の念が湧いてきたら、
『これが俺の生き様だ』
『ここで怒らなきゃ俺でなくなる』
そう思えばいいのです。
もちろん、後の責任は取る。その覚悟は必要です。
まとめ
理不尽に遭遇した時には、
自分にベストな対処をするための
事前準備が我々を救ってくれます。
自分が自分でいられる呪文を持っていたり、
無用な言葉のミサイルを撃ち落とすシールドを張ったり、
とっさの時にも損得で考えられる習慣をつけておいたり。
しかし、同時に『人間らしく私らしく』を貫く為の
覚悟を常日頃から持っておく。
これも大切なことではないでしょうか。
