それでもあきらめるな どん底人生

これからの人生を最高にしていくために

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人間通になれる理由

会社が窮地に陥った時、
一人でもがき苦しんでいるとき、
絶妙なタイミングで心配し、助けてくれる人がいました。

人の境遇や気持ちなんて早々わかるもんじゃありません。

どんなに気を使ったつもりでも、
逆に傷つけてしまうことだってあります。

しかし、この人だけは違ってました。

本当にしんどい時に、電話かけてきてくれて、
食事に誘ってくれた人がいました。

人間通は黙って聴く

今の状況を色々話さなきゃ、でも何から話そう、
そう悩んでいるのが顔に書いてあったのか、
その人からは一切の質問はなく、
ただ、周りの人達の話、みんなも大変みたいだという
暗に『辛いのはお前だけじゃないんだぜ』を伝えてくれました。

後半になってようやく、私から『現状は依然厳しくて』と
切り出すと、ただだまって聞いてくれます。

途中、何度かうなずきながら、でも口を挟まず、
最後まで聞いてくれます。

気の利いた事は何も言ってくれません。
何か元気になるような言葉もありません。

ただ、喋り終わった後には、不思議な程
心が落ち着いているのが分かりました。

人間、頭の中で考え抜いた事は、そのまま溜めておかないで
一旦外に出してやる。そうやって、
頭の中にスペースを作ってやることで、
新しい風が吹き込んでくる。

なんだかそんなイメージです。

よく、人に話すとスッキリすると言いますが、
このことだったんだ。と実感しました。

最後に『そうか、分かった、また何かあったら聞かせてくれ』
『お前がやってることは間違いないと思う』

ただ、それだけ言われたのを覚えています。

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人間通は感情を操る

その人とは、とある異業種の経営者が集まる団体で
知り合いました。

その方は当時、その団体の会長を務めてありました。
それぞれの会社では、社長というトップがいて、
指示命令系統は明確ですが、この団体では全員が社長ですから
それぞれが自己主張を行います。

よって、もめるときにはかなりのヒートアップして
もめることがあるのですが、
ある日、まるで理不尽な自分都合の
意見が出されたことがありました。

一瞬、会議室は凍り付き、誰もが『これはもめるぞ』

そう思った瞬間、会長席からあっはっはー
という笑い声が聞こえました。

もちろん声の主は、会長であるその方です。
そして、臨戦態勢の発言者に向かって、

『なるほど、そんな見方もあるんですね、
まったく思いつきませんでした。』
『いやー笑って失礼しました』

その一言で、会議室の空気がガラッと変わり、
問題は検討するという事で、先送りされたものの
冷静になった会員の皆さんの説明で事なきを得ました。

人は感情の生き物です。
だれだってカットなってしまう事はあります。

しかしどうやら人間通な人は、
相手の心の内を見通して、
自分の感情まで巧みにコントロール出来るようです。

人間通はこまめに動く

人間通といえば、なんだか全てを悟って、
仙人みたいにどんと構えているイメージを持っていましたが、
この人は違ってました。

先のただ黙って聴いてくれた食事会の翌日、
『○○さんに事情話して、協力してもらう事にしたから
これから時間取れるか? 俺も一緒に行くから』とか

『調べたらこんな方法があった、検討しているといい』
とか、自分事のように考え、行動してくれました。

落ち込んで塞いでる私に代わって、
私以上にあれこれ考えてくれて、動いてくれて、
少しでも結果が出たら、『良かったなあ』と喜んでくれる。

こんな事が毎日のように続いてました

もちろん、動くだけじゃない。
だれよりも常日頃から人間の事を深く深く考えている

それが人間通というものなのでしょう。

人間通になれる理由

結局、このどん底の期間をこの方は
ずっとそばにいて付き合ってくれました。

もちろん今でもお付き合いはありますが、
その間、一度も不快を感じたことがありません。

しばらく会わないと、会いたくなってしまう人です。

あるとき、思い切って聞いてみました。
『どうして、私の気持ちがそんなにわかるんですか』

そこで返ってきた答えは、

『何年か前に、俺も事業が厳しくてね』
『どうにもならずに、車で海に行き、真っ暗な中で
手すりにネクタイくくりつけて、首に回したことがあるんだよ』

『でもさ、安いネクタイでね、ぶちっと切れちまったんだよ』
『なんだか、生きててもいい そういわれたみたいでやめちまった』

『だから今、ここにこうしていられる』でした。

この、人間通は、時々で私と当時の自分を重ね合わせていたんでしょう。

『あの時の自分はこうだった、
今、こいつの気持ちはこうに違いない』

そうやって私の折れそうな心
見透かしてくれていたんだと思います。

まとめ

あの時、その方のネクタイが切れて、
この人は生かされた。そしてその何年か後、
その人によって私が救われた。

そう思ったら、おのずと自分の使命みたいなものが
心の中に鮮明なものとして現れてきました。

なにも生き死にの経験は必要ありません。
日々、生きていて自分が辛かったこと、
苦しかったこと、嬉しかった事、救われたこと。

それら一つ一つを心に刻んでおく。

そして、目の前の誰かにその時の経験を当てはめてみて、
その誰かに一番だと思う行動をしてみる

違ったっていい。感謝されなくてもいい。
余計なお世話だと怒られても、
その人の事を考え抜いて、答えを出して行動した。

その事実だけは嘘ではない。そう思って、
行動してみようと思うのです。

www.k-genri.com

人間通。その人には足元にも及びませんが、
少しでも近づきたい。そんな思いで修行をしています。