『これこそ、どん底だ』
そう思える体験がありました。
長年経営していた会社が窮地に陥り、
出口が見えなかった時です。
やることなす事、全てが裏目に出て、
見る見るうちに業績が下降線をたどり、
もう自分の力ではどうしようも出来ない。
そんな状態の時でした。
このままでは、自分がおかしくなる。
でも、このどん底が終わった時、
後悔だけはしたくない。
だとしたら、自分で自分の
心をコントロールしなければ。
そう思ってあれこれチャレンジしました。
上手くいかなかったコントロール法
まずは、瞑想
いくつかの本を買ってきて
読み漁り、やってみました。
が、
どうにも上手く出来ません。
目を閉じて、心を鎮めても、
すぐに、またあの恐怖や
不安が襲ってきます。
それ程飲めない、お酒にも
頼りました。
確かに、その瞬間は楽になりました。
『成るようにしかならないだろ』
そんな楽天的な気分にさせてくれます。
しかし、
酔いが醒める深夜に
決まって目が覚めます。
その恐怖はベットの中まで
襲ってきます。
寝かせてくれ、そう思えば思う程、
眠気は覚め、気がついたら、
朝まで、あれこれと
考えていました。
コントロール出来た方法
何をやってもコントロール出来ないで
苦しんでいた休日のある日の事。
部屋の窓から外を眺めてみると
快晴の青空が見えました。
『ジョギングでもするか』
そう思って外に出て、
軽く走った後に、公園の真ん中に立ち
大きな深呼吸をしてみました。
すると、自分でもびっくりするくらい
心が落ち着いていくのが解ります。
軽く運動をしただけです。
それなのにあれほど色々やっても
駄目だった心のコントロールが
驚くほど出来ている事に気がつきました。
これはきっと何かある。
そう思って調べてみました。
ありました。
その正体は『フィトンチッド』
自然の木々から発生する
森の精気と呼ばれる化学物質です。
その、効果は
脳のα波の発生を促す
血圧を鎮める
ストレスホルモンを抑える
呼吸を整える
などの効果が証明されているのです。
身近な自然には、驚くほどの力があります。
その力は、心をコントロールする事を
助けてくれる有難い力でもあります。
自然に触れながら、
軽く体を動かすことで、
フィトンチッドを含んだ
新鮮な空気を腹いっぱいに吸い込む
これが心をコントロールするための
最初の方法です。
2つ目は、
全ての悩みをノートに書き出す事です。
あの問題も片付けなきゃ。
ここにも新たな問題がある。
もう手に負えない。
そう思っていたものを
片っぱしから書き出してみて
思った事。
『ん？これだけ』でした。
頭の中にある時には、
とてつもなく大きく思えていたものも、
書き出してみると、そうでもない事に
気がつきました。
これだと１つずつ片づけていけば
何とかなるかもしれない。
いずれ終わりが来るはずだ。
そんな前向きな気持ちになれました。
これも驚くほど、心をコントロール出来た
とても簡単な方法です。
3つ目は、
『拘りを捨てる』です。
当時はなんとかしたい。
何とかしなければ大変な事になる。
そんな気持ちに縛られてました。
当然です。
会社や社員やその家族の人生が
かかってましたから。
しかし、その為に、
視野は狭まり、態度は硬直して
いたんだと思います。
だから
『今出来る最善を尽くそう』
しかし
こうあらねばを捨ててしまおう。
そう思う事にしました。
何があっても拘らない。
受け入れる。
最初はなかなか上手くいきませんでしたが、
次第にある事に気がつきました。
それは『成るようにしかならない』
という事。
拘ろうが、苦しもうが、慌てようが
怒ろうが、結果はそれほど違わない。
だとすれば、自分の出来る最善を尽くして
あとは 結果を受け入れよう。
そう思うと、不思議なくらい、
自分の心をコントロール出来ている事に
気がつきました。
諦めとは違います。
投げ出しているわけでもない。
しかし、拘らず囚われず陥らない事で、
自分を冷静に見つめる事が
出来るようになれる気がします。
まとめ
これが、私がどん底の時に、
あれこれ試しては失敗し、
最後にたどりついた３つの方法です。
当時の状況からは脱したものの、
今でも窮地に出くわします。
しかし、この３つは今でも健在です。
コントロールを失いかけた私を
救ってくれます。
ちなみに、最近はジョギングではなく、
山登り（ハイキングレベル）に変えました。
すれ違う登山者と挨拶を交わしながら、
きっとみんな色々抱えているんだろう。
だから、こうやってフィトンチッドに
触れる事で、上手に心をコントロールして
人生を楽しんでいるんだろう。
そんな事を想像したりしています。」
